タンポ、分解しちゃいました

こんにちは!アトリエ東京リペア室です (=゚ω゚)ノ

池袋のお店を開けられない分、リペア室通信をたっぷり更新していきますよ!

今日はフルートに付いているタンポのお話です。

皆さんもご存知だと思いますが、キイの内側に付いている黄色い柔らかいクッションはタンポといいます。

メンテナンスではこのタンポを調整することが多いですね。
タンポは湿度や水分の影響で変化を起こしやすいので、お客様へは定期的な調整をおすすめしています。

湿度や水分の影響を受けるって、タンポは何で出来ているの?って思った方いらっしゃいませんか?
と、いうことでそれをお見せするために…

切ります

(このタンポは不良品の使えないものなので切っても怒られません!よい子は絶対に絶対にマネしないでね!)

はい。断面図がこちらです。

厚紙の上にフェルトが乗っていて、それを表面の皮でくるむような構造になっています。
今度は切らずに分解をしてみましょう。

このような形に分解できます。
本当にくるんであるだけなんですね。キイの中にはこのタンポの他に調整をするための紙(調整紙)が入っています。

厚紙とフェルトと紙、それぞれ水にぬれるとどうなるか想像してみましょう。
かなり極端な想像ですが、
お風呂で読んだ本と、洗濯をしてしまったウールのセーターで考えていただけると、水分が紙とフェルト(羊毛)に与える影響が大きいことがわかると思います。

フルートにおける水分の多くは、長時間演奏したときに管内にたまる水滴です。
この水滴がタンポにつくことを阻止するだけで、調整も狂いにくくなりタンポ自体の寿命も延びます。

それはつまり、

こまめに掃除棒を通せばフルートを良い状態で長く使うことができる、ということです。

練習の間、休憩時には掃除棒を通す習慣がつくといいですね😊

以上、タンポと水分のお話しでした。