タンポが劣化すると・・・

こんにちは、アトリエ東京技術室です!

突然ですが皆様、「吹き始めはちゃんと音が鳴っていたのに30分くらい経つと急に鳴らない音が出てきた」という経験はないでしょうか??

今回はそのような症状の原因の1例をご紹介しようと思います!

原因のひとつとして考えられるのが、「タンポの縮み」です。

キィカップとタンポの間にはタンポ調整のための紙(調整紙)が入っています。

タンポ調整はとても繊細な作業で、用いられる調整紙は薄いもので約1/100mmという薄さのものもあります。

つまり、「1/100mmでも調整紙の厚さが狂うと調整が狂ってしまうことがある!」ということです!

タンポが縮んでしまうとキィカップの淵とタンポの間に隙間が埋まれ、そこからカップの内部に水分が浸透しやすくなります。

カップの内部に入り込んだ水分を調整紙が吸ってしまうと紙がふやけて膨張し、ふやけている状態の時だけ一時的に調整が狂って音が鳴りにくくなるという症状が出ます。

演奏を始めた直後は調整紙が水分を吸っていないのでちゃんと音が出るのに、管内の結露等で調整紙が水分を吸ってしまうと音が出にくくなり、数時間おくと水分が飛んで元の状態に戻るのでまた音が出るようになるのです!

タンポの縮が原因でこちらの症状が出た場合、基本的にはタンポをカップの大きさに合った新品の物に交換する必要があります。

身に覚えがありました場合、ぜひタンポの交換をご検討ください。

以上、リペア室通信でした!